2006年6月21日 (水)

ウェブ進化論・書評

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる梅田 望夫;:ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ご存じ、Web2.0の聖書ともいうべきベストセラーである。このようなテクニカルな本(本当はちっともそうではないのだが、世間ではそうとられている)が、30万部も売れるとは、誰も予想しなかった事態であるが、著者が中で述べているように、ちっとも変ろうとしない、変わったようには見えない日本社会も、実は鳥の眼でみるとこの10年間に大きな変貌を遂げていることを象徴した出来事であろう。日本も、本格的なテクノロジー主導社会(テクノロジーを理解しないと、社会でまともに生きてゆけない社会)になってしまったのだ。この本は、IT難民の導きの書となるのだろうか?

ポイントは、次の10年の三大潮流(1)インターネット、(2)チープ革命、(3)オープンソースが、ビジネスと社会を変えてゆく、というもの。当たり前のようだが、鋭い指摘だ(ただし、続く「神の視点からの世界理解」に始まる3大法則は、筆が走りすぎだ)。

梅田氏は、同年代(彼のほうが2歳年下)で、ITを社会的観点から論じることができる人、さらにそれを自らのキャリア変革という形で実践してきたことで、前から注目し、雑誌の寄稿などを愛読してきたが、これまでとそう変ったことをこの本で述べているわけではない。雑誌記事をまとめたということもあって、特に後半はまとまりがない感じがする。

ただし、東洋経済6/10号の書評で学究社社長/河端真一の「検索エンジン・グーグルは素晴らしい。インターネットも我々の情報系を大きく進化させてきた。しかし、それだけである。とても「『知の世界の秩序』が再編される」ほどのこととは思えない。」に始まる書評(感情的)は、一部(「グーグル経済が発展途上国民を潤す可能性」の楽観主義)あたっているが、少々行き過ぎ。

今起きていることを、タイムリーに要領よくまとめてあるので便利な本だ。より詳しくは、そう長くもなく、よみやすい本なので買って読めばよいが、ITに興味をもって、実践している人は目次を見ればほぼ内容を予想できる(逆にこの本の内容が簡単に理解できない人は、ITリテラシーを補う必要がある)。

序章 ウェブ社会―本当の大変化はこれから始まる
第1章 「革命」であることの真の意味
第2章 グーグル―知の世界を再編成する
第3章 ロングテールとWeb2.0
第4章 ブログと総表現社会
第5章 オープンソース現象とマス・コラボレーション
第6章 ウェブ進化は世代交代によって
終章 脱エスタブリッシュメントへの旅

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